今回の日記も自分語りになってしまうのですが、お時間ある方はお付き合い頂けると嬉しいです。
「超スキルアップ!番外編:シナストリー(相性)全般講座」にも寄せて……。
父方の祖父のこと
毎年夏が近づくと、父方の祖父のことを思い出します。
海軍に在籍していた祖父は航空母艦「蒼龍」の乗組員。
ミッドウェー海戦のわずかな生き残りのひとりでした。
爆撃後(投げ出されたのか脱出したのか不明ですが)、太平洋を4時間泳ぎ続けたそうです。日本軍の潜水艦に発見・救助され、横須賀に運ばれて長期入院していたとのことでした。
この話は私が小学1年生の夏休み「戦争体験者に話を聞く宿題」のために話してくれたことですが、はっきりとした記憶として残っていますし、今でも私の個人的なイデオロギーの根幹にもなっています。
自分の存在の「偶然性」について
当時、この話を聞いて強烈に思ったのは「自分は生まれなかった可能性があるんだな!」ということでした。
もし空母が爆撃された時に亡くなっていたら?太平洋で力尽きていたら?潜水艦に見つけてもらえなかったら?
戦後、祖母と結婚しなかったら?父が生まれなかったら?父が母と結婚しなかったら?
私という存在がこの世に生まれたのは「偶然の連続の産物」なのだと。
それは私だけじゃなく誰にとっても同じで、それが当たり前&世の常なのかもしれないけれど、特に祖父は紙一重で助かっている。こういった偶然が重なって重なって、自分が生まれてきたのは事実だと。
これは何か意味があることなのか、それとも特に意味は無いのか。
そういったことをぼんやり、漠然と考えていました。
私にとっての祖父
祖父が戦争のことを話してくれたのは後にも先にもこの時だけでした。
そもそも普段から極度に口数が少なく、小柄で痩躯。しかし屈強な感じでした。
戦後除隊した後も、小学校高学年の私の父を背負った状態で何キロも離れた島まで泳いで連れていっていたそうで、ご近所では長く「海軍さん」と呼ばれていたそうです。
ほとんど話らしい話をしたことはありませんでしたが、私は祖父のことが本当に好きで、年に何度か会えるのを楽しみにしていました。
会うたびに「たくさん本を読んで勉強しなさい」と静かに優しく諭してくれたことを思い出します。
祖父は私が中学生の時に亡くなりました。
ちっとも勉強せず大人になってしまいましたが、こんなに歳を取っても心の中に居て、祖父のことを思い出すたびにいまだに感情が揺さぶられてしまうのは何故なのか、ずっと考えていたのです。
家系をさかのぼり始めた星回り
占星術を勉強し始めてからは特に、「自分の存在の偶然性」含めてどうしても祖父の生年月日を知りたかったのですが、誰も覚えておらず長らくそのままになっていました。
ところが今年(2024年)になって、少なくとも40年以上は放置していた戸籍を突然父が調べ始めたのです。
祖父だけでなく曾祖父や高祖父の生年月日が判明、もう一代前の祖父(五世祖父と言うそうです)の生年月日も調査中とのこと。
父の星回り(出生時間不明のためソーラーハウスで見ています)としては、
・8ハウス支配星(ノーアスペクト)の上でt冥王星が順行(つまり水瓶座1度に8ハウス支配星がある)
・8ハウス支配星(ノーアスペクト)のp天体が牡牛座1度にイングレスしたタイミング(つまりn-pで正確なスクエア)
・tノードのドラゴンテイル側が8ハウスを進行中(個人天体に影響)
冥王星、牡牛座(水瓶座)1度、8ハウス———つまり家系や先祖といった要素が入り込んでくる時期であり、周りからは突然に見えても父にとっては必然の流れだったと言えます。
父から連絡が来た星回り
父から連絡が来たのは2024年4月日食の日の前日でした。
以下、私の出生図を内円にした日食図です。
- 牡羊座金星-天秤座冥王星オポジション上での日食
- n金星はn太陽-n月の支配星
- nノードに1度1年木星とt火星-土星がオポジション
- n木星に1度1年海王星-t冥王星合がオポジション
- n木星は4ハウス支配星
- nICに1度1年冥王星合
- 牡牛座n太陽にt木星-天王星合
- p太陽が蟹座1度
- n水星(チャートルーラー)に対し1度1年ノードが合
- tノード、ドラゴンヘッド側が8ハウス進行中
- p月が太陽-月支配星であるp金星と合、日食図のIC合
つまり父と同様「家系」「先祖」といった要素が入り込んできやすい基盤が充分すぎるほどできていたところに、①(⑪)や③・⑦がトリガーになってもたらされた出来事と言えます。
逆に言えばこのタイミングだからこそ、ずっと心の中を占めていた祖父を占星術を通して知ること、わだかまりが強かった父との関係性も含めて、今後の自分の精神的・内面的な分水嶺になるかもしれないという予感もあったのです。
祖父の出生図と蒼龍爆撃時の3重円
以下は祖父の出生図です。出生時間不明のためソーラーハウスにしています。
- 射手座太陽が乙女座木星-土星合とスクエア
- 乙女座木星は射手座水星とミューチュアルレセプション
- 魚座月は魚座天王星-蟹座冥王星-蠍座ノードと水のグランドトライン形成の可能性
- 魚座月-天王星は射手座水星とスクエア
- 水瓶座火星-獅子座海王星オポジション、この海王星は水瓶座金星ともゆるくオポジション
本来は共感的で優しいキャラクターだが、言葉の鋭さや足りなさ、神経の細やかさ、鬱屈した感じで誤解を受けやすい感がある。体力・回復力があり基本的には前向きな精神を持ち真面目で信頼もされるが、何事も「やりすぎる」ところがありちょっと変わり者として見られていた可能性。
ちなみにミッドウェー海戦で蒼龍が爆撃された時間(日本時間で1942年6月5日 午前7時25~28分 ミッドウェー海域)の3重円は以下の通りです。
- 射手座n太陽にp月がゆるく合の可能性、そこに対し双子座t木星-乙女座t海王星(-乙女座n土星木星)-1度1年魚座天王星で柔軟宮グランドクロス形成
- n天王星に対しp金星-爆撃時の魚座月が合、そこに対し射手座n水星-t土星天王星合、1度1年海王星-tノードで2つ目の柔軟宮グランドクロス形成
- n月(推定)に対し1度1年火星とtノードが合、②のグランドクロスにゆるく巻き込まれている状態
- 爆撃時のAscに対し1度1年土星-p太陽が活動宮Tスクエア
- n水瓶座金星に対しt金星-t冥王星-nノード軸で不動宮グランドクロス形成
やけに強調されている金星はソーラーハウスでは6ハウスと11ハウスの支配星。
これは私個人の想像ですが、特に②・⑤を見ると(おそらく怪我などで)海軍に戻るどころではなくなったこと、一瞬で大勢の仲間を失ったことに関連するのではないかと思っています。
後年、戦争のことをあまり話したがらなかったこと、しかし亡くなる直前に痴呆が進んでからは(内容が支離滅裂ではありましたが)堰を切ったように戦争や戦友の話ばかりしていたことを思い出します。
当時21歳の祖父にとってはそもそもn天王星-t天王星スクエアの真っただ中。それに加えて①~③といった星回りですから、まだ若い祖父に生涯拭い切れない深い影を落としたことは間違いないのでしょう。
それでも紙一重で助かったのは、n太陽-p月に対する木星の関与があったからと推察できます。
祖父と私のシナストリ
以下は私と祖父のシナストリです。
- 私のDecに祖父の魚座月-天王星が合、つまり私のAsc(土星合)-Dec軸が祖父の水のグランドトライン(月天王星-冥王星-ノード)を貫く形、カイトになっている
- さらに祖父のドラゴンテイルに私のキロンが合、ここも祖父のグランドトラインを貫くカイトになっている
- 私の月に祖父のキロンがオポジション
- 私の太陽-天王星オポジションに祖父の火星がスクエア、固定宮Tスクエアを形成。この火星は私の月-冥王星にトライン
- 祖父の金星に私の木星がオポジション
- 私のドラゴンヘッドに祖父の木星が合、私の太陽とトライン など
祖父の生年月日が分からなかった頃、私は「祖父にどこか”理想の父を投影”してるんじゃないか、そういうシナストリなんじゃないか」と予想していました。
長い間、「父親らしくなかった」父を責める気持ちやわだかまりが強かったからです。
実際のシナストリは予想と意外性が半分ずつといった感じでした。
私自身は水のエレメントが蠍座天王星のみでほぼ0、Asc近く(ほぼ合)の乙女座土星はノーアスペクトなのですが、
祖父の強力な水のグランドトラインが私の出生図によって2つのカイトを形成していた&キロンを持ち合っていた
↓
父親のように自分の足りないところを補い包んでもらっていただけでなく、祖父の存在から自分が進む方向性の推進力と力を得ていた
と解釈してもいいんじゃないかな、と思えるシナストリだったからです。
私の心に何故かいつも祖父がいたのは、理想の父としての記憶でなぐさめてもらうだけでなく、人生で前に進む力をもらうためでもあったのだと……今回のことで深く理解できたのです。
訪れた心境の変化
そして何より意外だったのが、あれだけ長く苦しんでいた父との関係性がこの「先祖をさかのぼる」ことによって、実際にほんのちょっとだけ変わってきたこと&私にほんのちょっとだけ心境の変化が訪れたことでした。
私が偶然の産物によって生まれてきたのか、そこに何か意味があるのかどうかはいまだに分かりません。
しかし自分の曾祖父や高祖父の出生図やシナストリなど見て言えるのは、明らかに「家系のパターン」は存在していて、不思議としか言いようのない縁の中で私が生まれ、生かされているのではないかということでした。
tノードや食、冥王星の影響力を改めて実感しているところです。この続きはまた後編で……。
超スキルアップ!番外編:シナストリ全般講座に寄せて
シナストリを考える時、例えば私と祖父、上記の図の①~⑥のように、
・Aさんの月とBさんの土星がオポジションだから、Aさんは圧迫を感じる
・Aさんの木星がBさんの1ハウスに入っているから、AさんはBさんの可能性を広げる
などなど散らばった基本的な情報をひとまず機械的に拾い上げていくわけですが、シナストリの本当の解釈はその先にあると個人的には思っています。
逆に言えば、基本の小さな情報をくまなく拾い上げたり2人の間に複合アスペクトが形成されていないか見るなどなど、そういった「基盤の情報」がおろそかだと「その先の解釈」にたどり着けないのです。
今回のシナストリ全般講座はその「基盤の情報」を、まず余すところなく拾い上げるための知識と視点を学べる講座です。
「その先の解釈」については超スキルアップ!恒例の「ケーススタディー」で学べるようになっています。
「その先の解釈」を会得するのは一朝一夕には難しいかもしれませんが、シナストリを考える上での今後の指針となるようにお伝えできたらと思っています。
池袋講座がありがたいことに2枠増やした状態で満席となり、オンラインでも少しずつお申込を頂いております。
膨大な知識とご経験をお持ちになるリマーナすず先生から「シナストリにおける基盤の情報」を学べる機会はあまりありません。ぜひこの機会を活用して頂けたらと思っています。
7月6日(土)23:59締切、お申込みは以下の記事のフォームよりお願いいたします。
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