2018年 占星術初級講座 受講生リーディング発表会

私個人で開催した過去の講座をご紹介いたします。
以下、以前のブログより当時の投稿を丸ごと移植し、少々修正したものです。
今後の受講のご参考にして頂ければと思います。

2018年 初級講座を終えて

2018年4月から始まった「初級講座(全7回)」が無事終了いたしました。

はじめに「受講生の方全員が自分の言葉で、大まかに出生図を読めるようにする」と目標を掲げたわけですが、150分の講座内では、受講生18名それぞれの理解度・進捗度を私自身が全く把握できないだろう、というのが講座が始まる前からの一番の懸念でした。

そこで「邪道」ながらも取り入れたのが「ミニテスト」と「課題」でした。
「ミニテスト」でそれぞれの習熟度を私自身が把握できるようにした上で、「課題」で足りない視点や間違えて覚えていることなどを指摘し常に修正できるようにしました。
同時に質問があれば回答し、全員にメールでシェアすることで知識の取りこぼしが無いよう努めました。

今回の記事は、先月行われた最後の「読み会」にて受講生の皆さんがそれぞれ発表したリーディングをご紹介いたします。
講座では本来なら一般人の出生図を取り上げるべきところを、一定の共通認識があり、リーディング後にある程度まで自分で検証できる、といった観点のみで有名人(日本人)の出生図を多く使わせて頂きました。

講座開始の時点で受講生18名中、15名が星座や天体の名前、記号を知らない「真っ白状態」でしたが、半年という短い期間の中で、それぞれが集中力と強い熱意を持って懸命に力を尽くしました。

全員、出生図内の根拠を明確に挙げた上でリーディングしているのですが、文字数の関係で、不本意ながら一部抜粋という形にしてあります。
加筆・修正無しの努力の成果をぜひご覧下さい。

ASKAさん(歌手)のリーディング

ことほぎさんのリーディング

自分だけが持つ感受性に共感してくれる人達の中で、細やかな視点を基にした温もりある感情を広げていきますが、感情が優位に動きがちでもあり、相手を認める度量が課題になりそうです。

情熱を持って挑戦していく時、深いイマジネーションが湧き出てくる傾向が見られますが、社会的業績を残すための音楽で共感を得ようと路線変更を求められたり、独自性を帯びた強い自己主張をしたくなるような「横ヤリ」が入ったりして、疲弊感、大きな葛藤にもなりそうです。しかしそれは自己実現にもつながる葛藤でもあります。

またその豊かな才能の中には、ためらいがちな心の基盤も存在しています。共感力の高さから色々なものに取り込まれそうな傾向もありそうです。
しかし自身の思いがより皆に溶け込んでいくようにすること、皆と一体になって感情を共有することがその才能に改良を促し、生きるエネルギーを高めていけそうです。

S.W.さんのリーディング

秘めた野心、管理能力が実利に働き、働き者で、体力・気力・忍耐力も充分ある。
専門能力も高いため、結果として持って生まれた能力で莫大な利益を生み稼ぐことができる。

独特の美的センスを持ち、個性的なパートナー運もある。基本的には博愛的、友愛的なつながりで、つかず離れずの関係であるが、同時に密着・執着・変容へ向かう強いプレッシャーもかかるため、他者の中で人生の目的を果たそうとする分、個性・感情・人間関係について迷走してしまいがちかもしれない。
それでも、理想や夢の実現に向けて、自分も相手も変化してうまく合わせていこうとする。
社会的人気も高く感情豊かな表現力で社会進出していけるが、感情のコントロールが難しい。最初は自分で決めているようでも、結果的に相手に合わせる自己犠牲的な面もあるだろう。

李(すもも)さんのリーディング

心を重視し精神世界を豊かに生きたい人だが、自分の好みにこだわりがあり、方向転換しづらい。表現に時間がかかる。目立つが、支配されるのを嫌う傾向。
その強いカリスマ性は芸術、創作に向き、博愛的精神に満ちているが、常識に対しての不信感やモラルの欠如も生み出しがち。

振り幅の大きい闘争心ややる気も強く「できる人」の評価も得やすい。仕事人間でもありそう。その能力は、必要とされる分野で有効的に発揮しやすいが、常にこれで良いのか自問自答しがちでもある。

家族や親しい人達に応援され、愛され、恵まれながらも、常に「仕事」というフィルターを通してそれを受け取るために、どこかでその愛を幻想のように思うこともあるかもしれない。それに応えようとする、どこまでも「優しい人」だが、過度の現実逃避傾向もあり、時期によっては無意識と現実の間で葛藤することもあるだろう。

Yume Tsukinoさんのリーディング

Yume Tsukinoさんは現在アクセス・バーズや占星術など身体と心のつながりを重視した活動をされています。津木野由芽さん名義で小説も執筆されており、ブログ「Luna Somnium」も書かれています

自身の世界観や感情を共有できる「他者」が必要であるひとで、「自分を理解してくれる相手」に対して貢献してゆくひとですが、この「貢献」とはやはり海王星に結び付けられる「夢」なのではないでしょうか。

かれの大切な「夢」が「完璧に美しいもの」であることを、かれ自身にもとめているように見受けられます。仕事に対する活力や意欲も旺盛で「こころざしの高さ」「理想の高さ」を感じます。自分の孤独とむきあうこと、忍耐や抑圧、自信の内部に潜りこむことによって創作活動されているのかもしれず、その作業がかれにとって大切な「夢」を生み出しているのかもしれません。

しかしその「夢」をご自分のなかに維持することに非常な強迫観念を抱いていらっしゃる可能性があり、「理想」と「夢」への執着が「現実」という掟から遠ざかってしまうことになりかねないように感じます。ある種の避難所のようなものを人生にもとめてしまいやすいかもしれません。
「自分が納得しなければ動かない」印象でありながら、他者にふりまわされてご自分の感情が把握しづらくなったとき、「夢」への葛藤をふくめ、強い矛盾を抱きやすいように感じます。

S.I.さんのリーディング

自分のやり方へのこだわりの強さは常軌を逸しており、一度始めたことには粘り強く取り組むが、自分自身の才能を確かめながら社会の中で確実に伸ばしていきたいという欲求が強い。
自分の野心とルーティンワークがうまく連動するが、周りからいいように利用されてしまうところもあるかもしれない。
人と深く関わることによる金銭面でのアップダウンの激しさも推察されるが、仕事で成功したい、みんなを自分の中に取り込みたい、感覚を共有したいというのが人生の目的で、自分の内なる欲望とも齟齬がないと言える。
加えて、広く深いイマジネーションを持ち、個性的な独特の歌詞を書くことに役立っているが、怠惰や堕落なども引き寄せてしまう諸刃の剣となる可能性もある。

ASKAさん個人の力ではあらがえない大きな力が常に働きかけてくるため、普通の人には耐えられないような困難な出来事も起こるが、持って生まれた豊かな才能に加え、無限のエネルギーも注ぎ込まれるために、底が抜けちゃった人、という印象もある。
しかしどんな状況になっても力強く復活して、人生を切り拓いていくことができる胆力の持ち主ではないかと思う。

野村 浩平(のむら こうへい)さんのリーディング

野村浩平さんはプロのライターさんです。「leeの話」というブログもお持ちで、現在は占星術やカードでのセッションも。芸術家として個展も開催されています

他者との関わりにおいて、受動的に人生が展開する可能性。どのような人のどんな想いも受け止められる(受け止めたい)慈悲深さが漂う。この人の「存在」が、人々のディープな想いを飲み込み昇華するシンボルのようなものかもしれない。純粋に自分を表現したいがその「自分」が定まらない。常に自分の想いと誰かの想いが錯綜するような人物がイメージされる。

個人の感情は落ち着かないながら、その無意識の回路が表現活動を自然と助けているのかもしれない。放出される表現世界はどこまでも理想を描き、また個を頼りにしているものとなりそう。それは人を根底から目覚めさせる可能性を感じさせる。

私的な顔はこだわりが強く、人間的で職人気質な印象を受ける。仕事への姿勢としては極めてきっちりとしていて抑制的だろう。とどまることを知らない野心の持ち主なのかもしれないが、極度に神経質で、異常な精度で事を行いそう。そのことに強いストレスもおぼえそうだが、そのこだわりに従うより他はない。
高い理想へと純粋に向かう”ありたい自分”と制御不能な無意識に邪魔される”現実の自分”のはざまで葛藤を抱えながら創作している人なのかもしれない。
そしてその苦悶もまた「才能」の一部。持っている人は持たされている人ということなのだ、と感じてしまいました。

中森明菜さん(歌手)のリーディング

ひろるさんのリーディング

ミステリアスで独特な魅力、華やかさも合わせ持ちスター性があるが、世間に求められ、それに懸命に応えていくタイプだと感じられる。

ストレスはかかるけれど公私ともにコツコツ地道に積み上げていく性質も感じ取れ、努力を惜しまない方ではないだろうか。特に若い頃は自己を自覚しにくく他者に合わせる自己像を感じる。

現在(注：2018年当時)は木星期。いろいろな情報を集めながら自己像も含め地道に足場を耕し固めているのかもしれない。
年齢と共に、抑制しつつ内側に隠したい自分の内面やテリトリーと、他者に求められ懸命に尽くす自己像が統合され、さらに素敵な明菜さんを見ることができるのかもしれないと思っている。

武士俣 史子(ぶしまた ふみこ)さんのリーディング

武士俣史子さんは精神世界に造詣が深く、心理カウンセラーやエッセイストとしてもご活躍。「vivir空間」というブログもお持ちです

自由な発想の持ち主で、個人のアイデンティティより集団との同一性を求め、改革・革新することを社会の中で試みる生き方を打ち出そうとする。
ただ表に出す顔と無意識の自分とに大きなギャップを持ちやすく、他者から認識されている姿や性格を本人はなかなか自覚できない。優柔不断で自分の評価を他者に委ねてしまう傾向も強い。

感情面において自分自身を満たすことができるため積極的に人と関わりたがらない。傷付くことに対しても恐れが強く、人間関係が限定的になりやすい。
加えて自分を周りにも認めて欲しいという欲求も強く、それがパートナーシップの面で発揮されると相手にとっては重すぎることもあり得る。それが安心感を得ることの難しさにもつながっているのではないか。

しかし心の内にあるものを自分の理想や志に向かって打ち出していくための努力ができ、スケールの大きい展望を持つ。自分の持っている資質を組み合わせて社会の中で発揮・実現する力も強い。知性と美的感覚を結び付けて表現することが得意で、カリスマ的存在になる素質がある。

M.O.さんのリーディング

ゴージャスな魅力があり、非常に目立ちやすい人で、創造性が豊か。野心を持って物事を実現化していきたいという内面の欲求を秘め、実際、社会の中でも自由にエネルギッシュに振る舞えるが、内向的で殻に閉じこもりがちな面がある。

感情面で自分を充足させることができるため、傷付いた出来事があってもそれを周囲には伝えることはなく閉鎖的になりやすく、人間関係が狭くなりやすい。
自分なりの世界を持ち他人に共有して欲しがるが、その他人に傷付けられやすい面も持っており、結果として他人に振り回されやすく、社会的な適応、本当の意味での自立が遅れやすい傾向もあると思う。

しかしそのナイーブな感情はファンタジーの世界を表現する音楽に実用的に生かされる。純粋で開拓者精神が旺盛な才能が表出しやすく、たくさんの人に影響を与えることができる。

N.N.さんのリーディング

奇抜でどこか異端な印象があり、不良っぽく見える人。見られるだけでなく本人も、普通からつい逸脱してしまうような変わったところはある。
与えられた環境でやるべきことをする忍耐強さがあるため、理不尽な事にも耐えて、がむしゃらに頑張る人ではないかと思う。反面、華やかさもあるし、人から賞賛を浴びたいという自己顕示欲もある。そして、表現者として宿命づけられている面もある。

けれど、中には他から認識されにくい繊細な感受性が隠れている。内向的で印象を自分の中へ抱え込んだり、自己肯定感の低さや拠り所のなさなど、不安定で脆そうな感じがうかがえる。
お母さんの昔の夢を叶える為に歌手になったらしく、彼女が能動的に何かを成し遂げようとする時、必ず愛する人の為にという動機がある。

愛情や安心できる居場所を人一倍求めているにも関わらず、それが感じづらい。なので、その欠乏感からか、どんどん自分を人に差し出してしまうところがある。傷付きたくないけど、愛されたいという葛藤と苦しみが表れているようで切ない。
有象無象がいる芸能界で出続けていくのはしんどいのかなと思う。ひっそりと隠れて過ごすことが心の癒しになるのではないかと思う。

M.S.さんのリーディング

感受性豊かだが我慢強く、自分の感情を外に出すのが苦手。また自分の気持ちよりも相手の要求に応えようとする為、内向的で意思決定がしづらく、自分の本心を見失いがちな傾向がある。
現実的な制限と夢、周りの期待に応えようとするループ、公私のバランスの内的葛藤が強く、不安になりやすい。内弁慶で、身内や親しい間柄では起伏が激しい一面が出やすい。

防衛心が強いので他人に心を開くまで時間を要するが、一度心を開いたら情がとても深い。親しくなるにつれ、相手の期待に応えたい、必要とされたい思いから、面倒見の良さが行き過ぎたり、価値観を押し付けてしまうこともある。自他のテリトリーバランスで心的葛藤しやすいことが何度も強調されている。

クリエイティブで才能豊か、ミステリアスでクール、独特な華があるが、彼女のベースにあるのは「慈愛・母性・共感してつながること」だと思う。
芸能界はエネルギーの強い方が多いと思うので、若い頃は特に感情のバランスを保つのが困難だったと思う。「魂を揺さぶる歌姫」として、彼女らしい活躍を期待したいです。

講座を振り返って

講座の後半で、ものすごい勢いで追い上げを見せた方。
なかなか直らないリーディングの癖に気付き、修正することができた方。
文章にまとめられずとても苦労したけれど、最終的にその糸口をつかめた方。

今回掲載されていない受講生のリーディングも皆それぞれ素晴らしく、一部抜粋のものとは言え、最終的に上記のような形になるまでには、ひとりひとりに様々なドラマがありました。

今回は私にとっても初めての講座で、試行錯誤の日々でしたが、受講生の皆さんの熱意と努力、またそのリーディングからは学ぶことがとても多く、一番勉強させて頂いたのは私自身だと思っています。
貴重な体験をさせて下さった受講生の皆様への心からの感謝を忘れることなく、私もまた新たな気持ちで研鑚を積み続けていきたいと思っています。