

私のp太陽が蟹座入りした約1年後p新月を迎え、2025年3月にt土星-海王星が牡羊座入りしました。
つまりスクエア(90度)の関係になったわけですが、その頃から何故かとにかく彫刻や絵画が見たくて美術展に通っています。
これは単なる現実逃避なのかもですし、実際、作品を目の前にしても「すごい!」「きれい!」「なんかこの絵好きだな~」と単純な感想しか持てないのですが、それでも今はとにかくいろいろ見たいと思うのです。
2025年末はその推し活?の一環として、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」に行ってきました。
t蟹座木星の到来
2025年初頭から「拝啓、星になった兄へ。」というキャッチフレーズのゴッホ展ポスターをあちこちで見掛けることが増えました。
兄を金銭面・精神面で献身的に支えたという有名な弟、テオドルス(通称テオ)の視点からであろうフレーズにt蟹座木星の到来を感じた次第です。

t蟹座木星の様々な面
今回のt蟹座木星期間は2025年6月10日~2026年6月30日まで。
特徴・キーワードは以下の通りです。出生図での蟹座木星・4ハウス木星にも関連があります。
・仲間や家族を保護する性質
・仲間や家族から受ける恩恵の大きさ(先祖からの保護)
・親しい人達との情緒的で親密な結びつきに安心を得る
・自分自身の安心を重視するあまり、自分以外のことに興味が向きづらい面も
・仲間や家族との共通の目的意識にとらわれ、個の気持ちに気付きづらい面も
仲間や家族が幸せに過ごすために皆で助け合い一丸となる———これほど安心で、心強いことはないですよね。
しかしその「影」もある。
例えばt蟹座木星期に始まった朝ドラでは、自分の気持ちを脇に置いて家族のために働く主人公を描いていますし、少し前は小学生のヤングケアラーも話題になりました。
t蟹座木星期間は一体感が出ますが「仲間や家族が頑張ってるんだから、あなたも同じくらい頑張って当たり前」「皆のためにあなたの時間や持ち物(能力含む)を捧げて当たり前」といったような、個の機微が尊重されづらい面にスポットが当たることも大いにあるように思います。
現在(2025~2026年初頭にかけて)は特に、土星-海王星合がその問題点を助長している面もあります。
ゴッホファミリー、3人の出生図
そういった星回り下での「家族の視点からの」ゴッホ展。
展示はゴッホファミリーの紹介から始まっていてとても見応えがあったのですが、この記事ではフィンセント・弟テオ・テオの妻ヨハンナ(通称ヨー)の3人に着目してみたいと思います。
お互いにどういった影響を与え合ったのか、家族がどうやって「夢をつないだ」のかはシナストリ―(相性図)で分かってきますが、まずは3人の出生図把握が必須です。
全員(分単位で正確ではないでしょうが)洗礼の関係で出生時間判明、こちらを正確な時間として考えていきます。
また冥王星は未発見の時代ですが、考慮に加えていきます。
フィンセントの上昇志向と強迫観念
展示では初期から晩年までの画業を辿っていましたが、10年しか活動していないのに2100点以上の作品を残しているとのこと。
単純計算で1ヶ月に約18作品、とにかくすごい数であることが分かります。

1853/03/30 11:00
オランダ ズンデルト
逆行天体なし

(Public Domain)
蟹座Ascの支配星、射手座月が6ハウス(以下H)で木星-テイルと合、Ascに対し150度。
この月は魚座海王星とスクエア、魚座金星-火星ともスクエア。ミッドポイント(ハーモニック8)では月=金星/海王星=火星/海王星となり、天王星もここに加わります。
人の良さと影響力の強さの素地を感じさせますが、基本的に自分に自信が無いのに、あまりの理想の高さゆえにいつまで経っても現状に満足できない傾向。風のサイン0なのもあって、考えすぎ・理屈が先に立つような性質も。
いかに見た目的には浮世離れして見えても、実は内的に強迫観念がかなり強く、精神面での影響も出やすいと言えます。
しかしその分、現状維持を良しとしない、着実に上昇していく力がハンパないのです。
「着実に上昇していく」?———簡単に言うけれど、それが実際どれほど難しいことで、どれほど日々エネルギーを使わなければならないか。それでも彼はやり抜く力を持っていたと言えます。
ノーアスペクトの10H牡羊座太陽=天王星/海王星=水星/木星=水星/ノード。牡牛座0度の冥王星は天王星-水星と11Hで合、射手座木星とトライン。
受け継いだ才能、過集中・こだわりの強さ・神経の強い緊張・じっとしていられない衝動の強さ・泉のように湧き出てくるヴィジョン。
彼の説得力ある言葉や発想が多くの人に影響を与える素地を持つと同時に、野心的性質やゴールの見えづらい理想主義が自分を急き立て、追い詰めるようにして膨大な作品を描き続けたのではと推察できます。
テオの合理性と「愛のかたち」
展示では、テオがいかにフィンセントに献身的だったか、精神的に支え続けたか書かれていましたが、出生図単体で見ると「皆に一目置かれる、むしろ合理的な人物」といった印象を受けます。

1857/05/01 03:30
オランダ ズンデルト
金星のみ逆行

(Public Domain)
牡牛座に1H冥王星-太陽合、2H火星-天王星-金星合の5天体。
唯一無二の独特の美意識・感覚を使って稼げる傾向。6HやMCの流れから自分の采配・自分のペースで物事を進めたがる面があり、それが所属組織にも利益をもたらす流れも持つと言えます。
実際、若くして画商として成功を収めていますが、それは美意識だけでなく合理性があってこそ。儲かるか、儲からないか、といった判断・決断も優れていたのではと思います。
とは言えこの牡牛座逆行金星、出生図上では牡牛座火星-天王星-双子座水星と合。
精神的な若々しさ・フランクな社交性と人気運、利益を人のために役立てようとする面も推察できますが、ミッドポイントでは金星=土星=天王星=木星/海王星。
こだわりの強さ、本物を見抜く審美眼、真面目さ、社会貢献していこうとするスケールの大きさはあれど、そもそも愛情に対してちょっと複雑な面を持つところも。
例えばですが、叶わないと分かっている恋にハマってしまったり、自分に対して厳しい人・冷たい人を追いかけて献身的に尽くしたり……逆にどれだけ冷たくしても自分を見捨てないかどうか試したりなど、どちらにせよ「愛」というものに自らハードルを設けがちな面があると推察できるのです。
演出力に長けたシゴデキ義妹、ヨー
今回の展示で驚いたのが———単に私が知らなかっただけなのですが———フィンセントの死後すぐに亡くなった弟テオというよりは、テオの妻ヨーが義兄の作品を世界的に有名にした、ということでした。

1862/10/04 02:00
オランダ アムステルダム
火星・天王星・海王星・冥王星逆行

(Public Domain)
ヨーの2Hもテオと同様、豊かです。
乙女座金星-土星合に天王星-テイルがスクエア、魚座海王星がオポジション。天秤座太陽-木星合に牡羊座火星がオポジション。月も6~7H水瓶座。
元々美術を学んだことはなかったとのことですが、テオと同じ2Hに絡む金星-土星-天王星の組み合わせを持っているため、価値あるものを見抜くような審美眼は備わっていたと言えます。こだわりや独自の考えも強く、安易に周囲に迎合しない独立性も。
さらにAscの流れからしても割と思い切った行動を取るタイプ。またその行動を周囲に印象づけたり効果的に演出できたりする才能も。同時に、周囲からの需要も敏感に察知していたと言えます。
ミッドポイントではAP=火星/天王星。Asc/MC=火星/土星。とんがった感じのキャラクター・先進的な考え方、努力家で仕事ができるタイプ。またうまくいかない時には躊躇せず方向転換できる判断力にも優れていたのでしょう。
ヨーの功績は「義兄が残した手紙と作品を一体のものとして大衆に注目させたこと」だそうです。
つまり義兄が手紙にしたためた芸術的なヴィジョンと実物の作品を重ね合わせることで、鑑賞者がその意図をより深く理解できるようにする———「義兄が文学・芸術の両面で苦悩した芸術家であった」という彼女の戦略を広めるのに成功したとのことなんです。
それぞれのシナストリ―から分かること
出生図を大まかに把握したところで、フィンセントを中心にしたシナストリ―を見ていきます。
フィンセントとテオ ~兄弟のシナストリ―
以下は兄フィンセント(内円)・弟テオ(外円)のシナストリ―です。
「両方正しい出生時間」として、Vt(バーテックス)やPof(パート・オブ・フォーチュン)も表示しています。


着目すべき点はいくつもありますが、大きく4点に絞りました。
全体的な印象はやはり、本来は合理的な弟の、兄への献身性です。
① 兄の太陽-Pofに弟のAsc-Vt-ノードが重なっており、この軸に弟の土星-Pofがスクエア(ピンク)
② 兄のVtに弟の水星がオポジション(緑)
③ 兄の土星に弟の太陽-火星合、月がスクエア(水色)
④ 兄の水星-冥王星に弟の木星合、兄の月-木星がトライン(オレンジ)
兄が困った時の、生活必需品の調達から精神的支柱としての「実働部隊的な」役割。
自らを追い詰めすぎて孤独になりがちな兄に「芸術家同士のパイプ」を作る役割。
兄独自の感覚を理解しようとし、弟が物心両面で保護していく役割。
かと言って、兄が弟の心に歩み寄っていたかというと、その要素は薄いのでは?とも推察できます。
弟の持つ「愛のかたち」———例えば厳しくされることでより献身的になるような———が、兄を尊重し従属する感じ、兄の意向を損なうことなく寄り添う感じをより強調しているように思います。
もっと言えば、弟は「歩み寄らない兄」をも丸ごと守ろうとしていたのだと。
フィンセントとヨー ~義兄妹のシナストリー
以下は義兄フィンセント(内円)・義妹ヨー(外円)のシナストリ―です。
以下、義理ではありますがこの欄では「兄」「妹」と表記します。


① 兄の太陽-Pofに妹の太陽・木星-火星のオポジションが合(ピンク)
② 兄のAscに妹のVtがオポジション(緑)
③ 妹のMC-冥王星に兄の土星合、そこに妹のPofがトライン(水色)
④ 兄の月-木星に天王星オポジション・ノード交換・また兄の金星-火星付近に妹の海王星-金星・土星のオポジションが重なり、ゆるくグランドクロス(オレンジ)
ヨーのMC冥王星合、MC支配星金星が2H土星と合、8H海王星とオポジション。この8H支配星が8H回帰、2H(~3H)に流れている点からも、いわゆる「遺産相続する流れ」は持っていると言えます。
しかしヨーの場合は単純にそのまま受け取るだけでなく、その良さを見い出し、どう伝えれば一番効果的なのか・どうすれば価値を高められるのか、その感覚に非常に長けていたと言えますし、その感覚を発揮すること自体が彼女の自己実現にもつながっていたように思います。
つまりこのシナストリ―はお互いがそれぞれの自己実現に関わっている、という印象です。
この兄妹、当たり前ですが生前はテオを通じて交流していたためそんなに親しいわけではなかったそうです。
あくまで兄が有名になったのは妹の継承と献身があってこその結果ではありますが、どちらかと言うとテオのようなベクトルではない、お互いの社会的立場の上昇を促す・利益をもたらす関係性と言えます。
とは言えかなり強固なつながり・ご縁を感じる相性でもあり、テオを通じて「フィンセントのために必要な一員として(無自覚・無意識の内で)ヨーが呼ばれた・選ばれた」必然性も大いに感じられるところです。
これは彼らだけでなく、現代の私達にも非常によく見られる「家族になる人の特徴のひとつ」でもあります。
t蟹座木星期に寄せて
家族としてどこまでも支えようとする木星、自己実現のために社会的発展を試みる木星。
目的は違えど、フィンセントの世界での名声はこの木星の延長線上にあるものなのでしょう。
「許容されていること」の尊さ
皆さんの出生図に木星が関わっている相手はどんな人ですか?
逆に、自分の木星に関わってくる相手とはどんな関係ですか?
たとえハードアスペクトでも「木星側が相手の(仕事や人生の)可能性・枠を広げる」関係性になりますし、木星側が大変なこと・面倒なことをなんだかんだで引き受けてくれたり助けてくれたりする関係性にもなりやすいです。
とは言え、現在のt蟹座木星期は前述の「影」も浮き彫りになりやすいですし、そもそも家族や仲間に恵まれない・どうしても拒絶せざるを得なかった人が多くいるのも事実。
それでも、もしかしたら「自分の出生図に木星が関わる誰か」が気付かないうちに自分の力になってくれているかもしれない。
自分の木星が自然な形で誰かの心の支えになっているかもしれない。
仲間や家族じゃなくても、相手が人間じゃなくても、遠く離れていてもです。
激動の時代を迎えていて、社会情勢も不穏なこの星回りだからこそ外にばかり目を向けてしまって、「普段の生活の中で当たり前のように埋もれてしまっているけれど、実は助けられている・支えられている・許容されている」ことへの尊さを忘れそうになりますよね。
t蟹座木星はそういった隠れた支えに目を向け、気付かせてくれる機会でもあるのでしょう。
私自身も周囲の人達への感謝を伝えていけたらいいなと……改めてそう思っています。

エドガー・ドガ「家族の肖像」1858~1869年
(撮影可・掲載可の作品です)
この展示は終わってしまいましたが、(私個人の視点で恐縮ですが……)2026年2月現在、都内ではt蟹座木星の象意に満ちた美術展が他にも開催されています。
例えば上記は一見「フォーマルな家族の肖像画」ですが、実は一枚岩ではなかったり、常に幸福とは限らない家族の実態を描いた作品なのだそうです。
★印象派「室内をめぐる物語」展(国立西洋博物館):2026年4月5日(日)まで
★スウェーデン絵画「北欧の光、日常のかがやき」(東京都美術館):2026年4月12日(日)まで
いろいろな事象・いろいろな角度から象意を広げていけるのが占星術の楽しいところですよね。
t蟹座木星期間、あともう少し満喫できたらと思っています。

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